社内の社員の素行を調査する為上司の命で眼鏡に内蔵された小型カメラを利用しました。

防犯グッズに関する体験談や感想を記載しています





あれは今年の春先頃からでした。私の会社は100人近く働いています。



最初は、会社内のとある部署のゴミ箱のゴミが散乱している所から始まりました。



そこから、社員の男子、女子各ロッカーに傷が付いたり、鍵が壊されたり(金品や物品の盗難はありませんでした。)、下駄箱の靴が無くなったり考えられない事ばかりが発生しました。私自身も下駄箱にゴミが入っていたりしました。



隣の人の下駄箱は食べかけの納豆巻き等が入って匂いがきつかった時がありました。更にコピー用紙のA4の紙が全くなくなっていたり、ある部署には注文してないのにラーメンやピザの出前も届いたりしました。段々薄気味悪くなってきました。



警察に届けて調べてもらおうかとの意見も出ました。
そんな最中、私は自分の部署の上司に突然呼ばれました。S部長は一緒に社長室に今すぐ行くようにと言われました。私は何か悪い事でもしたのかと不安になって社長室に入りました。



すると、他の部署の同期のI君と、経理部の若い女性のMさんが居ました。F社長やそれぞれの部長も居ました。F社長より、「忙しい最中申し訳ない。君たちは各部署で活躍し、我々も信頼できる人間、人選ということでここにきてもらった。」と話が始まりました。良く聞くと会社内の不審な事が目立つので密かに調査をしてほしいとの事でした。



社長室に入るときもそうでしたが、社長室のドアにひっかき傷とカードキーの辺りが破壊されてたのに気が付きました。警察は最後の手段にするが、先日社内の防犯カメラに不審人物が映っていたのと、トイレが詰まった事件があったのですが、そのトイレを一人の社員が本や紙等入れて詰まらせていた光景を他の社員が見たと聞きました。



該当するのは営業部に居るアルバイトのKという人物でした。社長より本当は現場を押さえて問いただすのが筋だが、証拠がないとそれもできない。決していい方法ではないが、社内の環境や不安を解決するために協力して欲しいと言われ承諾しました。社長よりとある眼鏡をそれぞれ渡されました。それは黒の眼鏡でした。ですが良く見ると眼鏡のセンターには小さなレンズがありました。小型カメラ内蔵で掛ければ視線と同じアングルで状況を撮影できました。しかも掛けても違和感がない。16GBの容量がありました。



丁度私を含めた3人はたまに仕事で眼鏡を掛けることもありました。丁度良かったのではないかと思います。不可解な事件が発生するのは、午後の15時以降、もしくは夕方以降の退社時の可能性がありました。その時間帯に社内を静かに周り、Kを見つけたらその行動を録画してほしいとの事でした。社命ということもあり、従い早速次の日から行動しました。初日、2日目は何もありませんでした。しかし、3日目でした。その日の16時頃、経理のMさんから内線で呼ばれ、I君と共に会議室に行きました。MさんがKが15時頃、社内の休憩所の近くの自動販売機の小銭投入口に口からガムを出し、それを塞いでいた光景をPCで繋いでみました。唖然としました。と同時に一連の事件の下手人はKだと確信しました。打ち合わせをし、退社時の18時から20時まで残り社内を周りKが居たらその行動を記録しようと決め部屋をでました。そして18時。ひっそりとゆっくり社内を周りました。命じられた時はスパイ映画じゃないんだから嫌だなと思っていた自分も居ました。



ですが、その時はもうそんな考えは吹き飛んでいました。とにかくKの行動を抑えよう。それだけでした。眼鏡の電源を入れ、辺りを見回し動きました。心臓が少しドキドキしてました。するとKを発見し、こっそりと尾行しました。もうばれない様に静かに付いていきました。Kは地下の営業車を止める駐車場にきました。そこで持っていた牛乳パック1リットルを開け、車のガラスにぶっかけてました。終わった後Kは去っていきました。私は物陰から自分の呼吸を抑えるのに精一杯でした。終わった後少し吐きそうでした。次の日はI君が、Kが倉庫から備品を勝手に持ち出し、かつ食べかけのパンを捨てて行った所を撮影。その証拠を上司達は見て追及できると判断し、Kを呼び追求し認めさせました。



Kは当然首になりました。K自身も仕事が上手く行かないストレスと、少しうつ病があったみたいで及んだ犯行でした。その後警察に届けだすかどうかは上司達が引き続き今現在でも担当してます。スパイみたいな行為は終了し今ではほっとしています。現実にこんなことをするとは思ってませんでした。あまり心臓には良くない物です。しかし、小型カメラの性能威力には驚きました。綺麗に鮮明に映像、音声までも記録できるので。悪いことはしてはいけないと思いました。二度とこんなことはしたくないです。